9月から大学で西洋音楽史という授業が始まりました。そこで、
音楽の歴史や
世界の地域ごとの音楽の違いを学ぶにあたって、トルコで伝統楽器を見たり聴いたりしたこと、また、トルコの人々が生活の中で音楽を楽しんでいる様子を感じてきたことが大変役立っています。歴史を学ぶにあたっては、今のピアノの音階、ドレミファが当たり前に思っているけれど、この音階に落ち着く前までは半音の位置が違う音階が使われていたという話を聞きました。例として曲も聴かせてもらいました。聴きながら、おそらくトルコで耳にしたいくつかの音楽も同じ系統だと思いました。(ちゃんと調べてみる必要があります。)
授業の中で地域ごとの音楽を紹介してもらったときには、まず、イランの演奏があまりにトルコの東の方の音楽や黒海の方の音楽と演奏が似ていて驚きました。具体的に言うと、演奏に使っていた楽器が重なっていましたし、曲調も似ていました。曲調の類似はおそらく使われて言う音階が同じかと見当をつけています。ネイはトルコでも使われていたし、イランの太鼓はトルコではダブラッカ、ギター系のものは、トルコのサズ、ウドだと思いました。(サズはトルコでも5万位用意したら買ってこれると思います。)ダブラッカはグランドバザールで買ったものが家にありますが、これを買うとき店の人に教わった指を順に倒す演奏法はイランの演奏でも使われていました。イランの演奏では演奏者皆、地べたに座って演奏していましたが、イスに座ったり歩きながら演奏されると、人々の間に溶け込みやすくなると思いました。
トルコで出会った類似の音楽は、体を揺らし、手を挙げ、手を繋ぎ、時にはステップを踏んで、誰もが大合唱して観客も一緒に楽しまれていました。イランの授業で見た音楽も、もしかしたら、そんな風に、現地ではもっと庶民に密着した形で演奏されているのでは?と思いました。(これも、調べてみたいです。)
他にもタイの音楽の時には手の甲を反らせてゆっくり、くねらす手つき、ベリーダンスの手に似ているナーと思いました。また、インドの音楽を聴いているときには、授業をしてくださっている先生が「インドにはインド時間っていうのがあって、2時間くらい遅れてくるのが当たり前という話がある。音楽もゆっくりしているでしょう、こういった人たちから見たら、私たちの生活を何を急いでいるんだっていうかもしれない。」というような話をしました。それも興味深かったです。
トルコ滞在中実際にそういった時間の感覚の違いをまさに感じていました。たとえば水曜日の午前に家の修理を頼んでいたら、その日のうちに来たらまずかなりいい方、次の日というのもよくある話。そういった感覚になっていました。インド時間のような場面はトルコ滞在中何度も経験したように思います。
イラン、タイ、インドとの類似を見ることによって、文化は、音楽は、横(地域的)につながっているということを改めて考えた講義でした。
そして、トルコ生活を少し体感したことにより、人類の歩み、広がるアジア大陸の存在を具体的に意識できやすくなったことは、大きな収穫だったと思います。
☆ 写真は今年の冬、トルコにて。レストランのステージ。光が当たっているのはサズ(だと思う。)
伝統楽器はトルコでは昔のものという意識ではないと思う。生演奏伴奏で、お客さんのリクエスト曲をどんどん歌っていた。(毎度ながら、たいていの曲はお客さんも一緒に歌って、大合唱になる。トルコ人って、どんだけ歌覚えてるねん。。と思う。)